CEREC3によるオールセラミックスCAD/CAM修復

CERECとは? 詳しい説明 手順1;光学印象法  手順2;間接法  相関法  その他の応用  利点欠点

 

CERECの特筆すべき利点

1.嘔吐反射が強く、口腔内に型取り器具・材料を挿入し硬化まで数分間保持することが困難な患者さんにはCERECシステムの光学スキャン印象はもっとも有効な治療法となるでしょう。

2.適用ケースを選べば、費用対効果が素晴らしいメタルフリー修復・審美治療となるでしょう。

3.多忙な方へのオールセラミックのOne Day Treatment(即日修復)が可能です。

4.除去した歯冠修復形態を可及的に再現できる(相関法利用)ので、入れ歯の支えになっている被せ物のやりかえ等には他に見られない製作方法となります。

5.データベースにデザインデータが保存されているので、ハセツ等がもしあっても患者さんにすぐ新しい修復物を提供できます。

6.矯正治療等の前処置で仮修復が必要な場合には、経時的な劣化や色素・臭いを吸収するプラスティック冠に代替する高品質のセラミック修復として利用できます。

7.工業的に製作され気泡が入らず均質な性状であり、一般のセラミックスより強度が高いにも関らず表面の荒さが比較的小さいため対合する歯のエナメル質に優しい(磨耗させにくい)とされます。

8.etc

*充填材料との比較

以下のように口腔内で固めた詰め物(充填材料)は、見た目は白くとも、範囲や体積が大きくなると繰り返される冷温の変化に対し(収縮膨張の反復に拠り)接着界面の破壊や物性の低下が避けられません。 審美的要件を除けば金属修復でおぎなえますが、CEREC修復では可能な限り接着材料の使用を薄くできることからセラミックスと歯質と接着材料がハイブリッド構造となりますため、充填治療に見られるムシバの再発や脱離を防ぐばかりか、色素の吸着による変色がほとんどありません。


熱刺激の反復より充填材料に加わる体積変形と界面破壊

 

 

 


CERECの課題

1.日本の歯科治療の現場ではやりかえ治療が多く、修復範囲がムシバの腐りのため歯肉の下の面にも及ぶ場合、CERECの光学印象が不確実となりやすく修復物の適合不良の原因になります(間接法の適用)。

2.複数歯の連続固定やいわゆるブリッジ修復には用いられません。

3.光学印象法で製作された修復物は模型でのチェックがないため、かみ合わせや隣接部の調整が多い傾向があります。

4.形成切削量はオールセラミック修復全般に準じメタル修復より多くなります。

5.光学印象時のパウダーリングにムラがでやすく、厚みが出ると修復物の適合に影響します。

. etc

 


CERECの適用には向かないケース(臨床例)

 

1.単独歯修復でもCERECには向かない症例(以下 e-dent dental office の例)

修復に必要な厚みが非常に薄い場合・維持装置が付与される場合

 

 

対合歯が非常に緊密に噛みこむため歯冠の厚みが薄い症例

 

複数歯の固定が必要な場合(矯正後・歯周病による動揺)

かぶせもの治療に先立ち中切歯の神経を残すための術前矯正:後戻り防止のため中切歯2歯の固定

 

2.いわゆるブリッジや多数の歯を同時に精密に修復する場合

全顎的な再建修復治療

3.歯をまったく削りたくない場合

右側側切歯・歯冠内漂白の例


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